どのようにして英文を早く読めるようになるか。
今のところ私の実力では、日本語の方が5倍以上早い。
昔に比べたら英文を読むのに抵抗がなくなったとはいえ、やはり日本語と違ってすらすら読めないのは苛立ちが募る。
●日本語の速読
基本的に日本語というのは速読に向いている。というのは、漢字とかなでメリハリが付き、漢字を拾って読んでいけば概要を簡単に把握できるからだ。これがかなだけだと、同じようには行かないだろう。
たとえば、
きほんてきににほんごというのはそくどくにむいている。というのは、かんじとかなでめりはりがつき、かんじをひろってよんでいけばがいようをかんたんにはあくできるからだ。これがかなだけだと、おなじようにはいかないだろう。
と書かれては、同じ日本語でもかなり読解は困難だ。では次に、
きほんてき に にほんご というのは そくどく に むいている。というのは、かんじ と かな で めりはり が つき、かんじ を ひろって よんでいけば がいよう を かんたんに はあく できるからだ。これが かな だけだと、おなじようには いかないだろう。
このようにスペースで区切ると先ほどのものよりは楽になる。単語や文節で区切られているからだ。まず最初の作業として、単語や文節に区切る作業が行われる。そして主語、述語、修飾語というふうに構造をつかみ、意味を理解する。これは日本語の場合、無意識のうちに行われている。無意識なので、通常は気づかないが、ひらがなにしてみるとよくわかる。
漢字を使うと、スペースを使わなくても単語や文節の区切りがよくわかるようになる。それから、漢字だとかなよりも短く表記できるため、読み取る文字数は少なくて済む。それから、漢字は表意文字なので、漢字の形自体が意味を持っているため把握しやすい、と一般的に言われるが、表意字体の効果はあまりないと思う。それよりも、ある記号で即座に意味を表せることにあると思う。
例えば、
基本的
きほんてき
を比べた場合、後者のかなの方は、50種類しかなく、そのバリエーションですべてを表現しなければならない。それに対して、漢字は数万種類あるため、例えば「基」で表現される意味は限られる。一方、かなだと例えば「き」だけでは意味を特定するのは難しい。
とはいっても、すべて漢字で表現すればいいというわけではなく、漢文のように漢字だけの場合だと単語の区切りがわからずその区切りを探すのに時間がかかる。漢字とかなが混じっている効果は大きい。
●英語の場合
英語と比較をすると、英語の場合、単語を続けて表記することはなく、必ずスペースで区切る。そのため、単語に分解する作業は必要ない。しかし、英語はかなよりも少ない、アルファベット26文字で表現しないといけない。
英語が日本語に比べて読む速度が遅いのはここに原因があると思う。かな漢字交じりの文であればスムーズに読めるが、同じ日本語でも、先に挙げた、かなだけの文章だとひどく遅くなる。今自分で見ていて、同じ内容なら英語よりも遅いんじゃないかと思う。
では、英語では速読はできないのかというとそうでもない。英語圏でも速読法はあり、一目でページ全体を見て、パラっとページをめくって一冊読み終えてしまうトリッキーなテクニックはあり、実際に習得している人もいる。実際に、速読法の訓練をしなくても、教養ある英米人は日本人よりも早く読むだろうし、同じ内容の文章でも同じ、あるいはそれ以上に早く読むのではないかと思う。
前に英会話学校のアメリカ人教師が試しにTOEICを受けたところ、リーディングのセッションでは半分の時間で終わったと言っていた。私は頑張っても10分前に読み終えるので、この実力差は歴然としている。ただし教養のないアメリカ人の場合はこうはならないだろう。ちなみにこの教師、堂々の満点! さすが。
おそらく、日本人が漢字を見るのと同じように、単語を一まとまりのパターンで見ているのだろうと思う。アルファベット一字一字を見るのではなく、例えば、emotionalと来たら、e m o t i o na l と一字ずつ読むのではなく、塊で即、意味を捉える。早く読める人は、頭の中で音声化はしないだろう。この点は日本語でも共通している。さらに、単語から節、文へと塊で捉えるようになるとさらに高速化する。
現在のところ、私の実力では、音読の癖が抜け切らないし、文字を一つ一つ追っていって単語を認識しているため、日本語に比べて意味を取るまでの反応速度が遅い。この反応速度の比較は面白い。
日本語も子供のときは、一つ一つ字を見て音声化し、意味を取っていたので、これは慣れのせいと意識的に早く読もうとしてきた結果だと思う。
●理解のプロセス
つまり、
1.一つ一つの文字の認識
2.音声化
さらに日本人の場合これが入る。
3.翻訳
4.意味の理解
この、1,2,3をいかにスキップし、4を高速化できるかが速読の鍵だと思う。日本人の場合、まず3をなくすことが最初のステップだろう。よく英語のまま理解するというが、学校教育の逐語訳の弊害を受けていない限り、これはさほど難しくないと思う。自分自身、英語のまま理解していると思うが、脳の中で意味を理解するための何らかの翻訳作業が行われている気がする。ここが瞬時にできるようになると、本当に英語のまま理解できる、という状態になるのだと思う。
さらに、速読のためには、単語全体でのパターン認識ができるようになることだろう。そして音声化をなくす。英語の初学者は音読によって英語を身につける必要があると思うが、上級者は逆になくすべきだと思う。そうしないと、英米人と同じレベルでの読解はできないと思う。
そして単語から熟語、節、文へといく。英語の構文が身についていれば返り読みすることはない。英語の構造のまま理解する。これは日本人が最初にぶつかる壁だが、速読には必須、というより、速読以前の問題だ。
速読とするためには、一目で文章をつかむ必要があるだろう。
●速読法
巷にはいろんな速読法があり、年々新しい方法が生み出されている。私自身多く試してみたが、情けないことにほとんど挫折した。典型的な左脳人間で、一個一個論理的に把握するということにこだわっていたためだ。それでも、意図的に音読をなくし、パターン認識を強めることで、速度は速くなったと思う。
いろいろな方法があっても、大半は共通している。
1.目を早く動かす
2.一目で捉えられる範囲を拡大する
3.音読をなくす
4.文章を頭から読まない
5.意味をトップダウンで処理する
4の頭から読まないというのは、通常、私たちは文は頭から読まないと理解できないと思っている。しかし、実際には、主語・述語・修飾語、あるいは主語・動詞・目的語・修飾語、というふうに分解して、ある状況をイメージして、文章を理解しているので、頭から読まなくても、瞬時に、文章を分解して、そのイメージを構築できれば理解は可能である。これは、返り読みしないために頭から読む、というのとは違う。返り読みは逆さに読むという奇妙な方法だからだ。
5の意味をトップダウンで処理するというのは、ほとんどの速読法では最初にタイトルや目次から概要をつかみ、問題意識を持って、その回答を探したり、内容を予測しながら読むようにする。これは何が書いてあるかわからないものを読むよりも、ずっと早く読める。
一般に速読法で失敗するのは、1,2ばかり重点を置いて、その結果さっと文章に目を通せるようになったはいいが、意味はほとんどわからないという状態になるからだ。私もそのパターンだった。視読というのをいかに身につけられるかが鍵だと思う。普段の頭の中の思考が音声化され、会話も当然音声を使っているため、音声化に慣れてしまっている。逆にそうしないと、意味が理解できないように感じてしまっているし、また集中ももたない。
偉そうに、理論ばかり述べてきてしまったが、私自身何とかして日本語の視読をマスターし、また同時に英語の速読も進めていきたい。